放射線の通った跡を見る「霧箱」




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霧箱とは


 霧箱とは、放射線などの、電気を帯びた粒子が通った跡(飛跡)を観測する装置です。

 箱の中に霧を作っておき、その中を荷電粒子が通ると、飛跡が飛行機雲のように見えます。

霧箱で放射線の通った跡を見よう



 なお、放射線について知りたい方はこのページをご覧ください。




 霧箱の作り方をこれから解説します。簡単に作れるので、自由研究にピッタリです。

 ただ、霧箱を自由研究で作る時、一つだけ問題点があります。それは放射線源†1が手に入りにくいことです。

†1 :放射線を出す物質のことです。

 霧箱キットなどを買えば放射線源が付いてくることがありますが、そうでなければ中々手に入りません。

 ですが、放射線源を利用しなくても放射線の飛跡を見ることができます。このことも後で説明します。





霧箱の作り方


 霧箱は、道具さえそろえれば1分程度で作れます。以下の動画をご覧ください。

簡単に霧箱を作ろう!!

 必要な道具も、簡単に手に入るものばかりです。

必要な道具
  • 霧箱本体になる箱です。箱に求められる条件は、ドライアイスの冷気や湿気に強く、小さめで、上が空いていることです。箱型のプラスチック容器なら大体要件を満たせるでしょう。豆腐の空き容器でも大丈夫です。

  • 黒い画用紙
  • 箱の底に敷く画用紙です。これを敷いておかないと、放射線の飛跡が見えにくいです。箱の底に合うように切っておきましょう。

  • スポンジテープ
  • テープが付いているスポンジです。箱の側面に貼り付けます。ぐるっと一周貼り付けましょう。スポンジをスポンジテープのように細長く切り、両面テープを貼り、箱に貼り付けてもいいでしょう。このスポンジにはエタノールを染みこませます。できるだけ目の細かい物を用意しましょう。

  • エタノール
  • 薬局で、400円もせず手に入ります。できるだけ純度の高いものを用意しましょう。消毒用の物で大丈夫です。

  • 放射線源
  • 必ずしも必要ではないのですが、あると放射線の飛跡がよく見えます。一昔前のランタンは、マントルに微量の放射線を出す物質が使われていました。もし昔のマントルがあれば、小さく切って使ってみてください。部屋のホコリも、少しだけ放射線量が高いそうです。 試しに入れてみてもいいでしょう。カリウムが使われている肥料や、ラドン温泉の元なども、放射線が出るかもしれません。
    もし何も手に入らなければ、霧箱に何もいれずに観察してみてください。地球には、宇宙から宇宙線と言う荷電粒子が降り注いでいます。また、私たちの身の回りには微量の放射性元素があり、放射線を出しています(環境放射線)。霧箱に何もいれなくても、時間はかかりますが、これらの放射線を見ることができます。

  • 料理用ラップ
  • ご家庭にあるもので構いません。箱の上を塞げる大きさの物を用意してください。

  • 輪ゴム
  • ラップを留めるために使います。

  • ドライアイス
  • 箱を冷やして霧を作るために使います。やや手に入りにくいのがネックです。スーパーなどで譲ってもらえるかもしれません。とても冷たいので取り扱いにはご注意ください。密閉した箱の中に入れると、中の圧力が高まり危険です。
    ドライアイスの上にそのまま箱を乗せてもいいですが、できればドライアイスを砕いて箱を乗せた方が、箱がよく冷えます。もしかしたら氷でも代用できるかもしれません。一度氷で実験し、レポートしたいと思います。

  • 懐中電灯
  • 放射線の飛跡を観察するときに必要です。懐中電灯で照らさないと、なかなか飛跡が見えません。できるだけ明るいものを用意しましょう。

  • ビデオカメラ
  • 放射線の飛跡を観察するだけなら必要ありません。自由研究で発表するときなどに使います。私はアクションカメラを使いましたが、スマホでも大丈夫だと思います。


 組み立て方は上の動画の通りですが、説明します。

  1. 黒画用紙を箱の底に合わせて切っておきます
  2. 箱に黒画用紙を入れ、箱の内側、上の方にスポンジテープを貼ります
  3. 箱全体、特にスポンジテープにたっぷりエタノールをかけます
  4. 放射線源があれば、箱の真ん中に入れます
  5. 箱にラップをかけ、輪ゴムで留めます
  6. 箱をドライアイスの上に乗せて完成です



 作成したら部屋を暗くして、箱の中に懐中電灯の光を当てて観察しましょう。

 箱の中を見た時、うっすらと霧ができていることを確認しましょう。

 よく見ると、微小な水滴のようなものが、箱の中を流れているのが観察できるはずです。それが見えれば、放射線が通った時に霧ができるはずです。




 もし霧が見えなければ、少し時間を置いて、また観察してみましょう。

 それでも見えなければ、エタノールが不足しているか、箱が十分に冷えていません。スポンジにエタノールを追加したり、ドライアイスを箱と密着させたりしてみましょう。





霧箱で放射線の飛跡を見よう!


 霧箱が完成したら、さっそく放射線の飛跡を観察しましょう。

 放射線源が入っているならすぐに飛行機雲が見えます。もし何も入れていなければ、宇宙線が通過するのを、根気強く観察しながら待ちましょう。

 下の動画は、上の動画で作成した霧箱で、実際に宇宙線を観察した動画です。右側の、光が当たっている部分にご注目ください。たまに白い筋が表れます。

霧箱で宇宙線を見よう!!



 飛行機雲の動画を撮るのは、少し大変です。霧箱の周りに、懐中電灯とビデオカメラを固定して撮らなければいけません。

 高めの台などを用意し、その上にスマホと懐中電灯を固定して撮るとよいでしょう。

霧箱の撮影

 自由研究で発表するとき、撮った動画を小学校で閲覧できるようにするのは難しいと思います。

 動画中の、飛行機雲が映っている部分をキャプチャーしてプリントし、写真にするのがいいと思います。あとは霧箱の実物を持っていけば、自由研究としては十分でしょう。





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