道の駅 おだいとうへ
野付半島を後にし、国道244に戻った。
そのまま海岸沿いを南下する。
何だか疲れた。
今日中に根室の納沙布岬まで行こうと思っていたが、この分だと厳しいかもしれない。
しばらく行くと、林の中に道の駅 おだいとうを発見。
寄って行こう。
ところで、北海道に来てから、やけに平仮名の名前の道の駅が多いと思っていた。
ここ道の駅「おだいとう」も、漢字で書くと「尾岱沼」である。
「尾岱沼」は、初見では「おだいぬま」とか「おだけぬま」と誤読してしまいそうだ。
北海道の地名は、元々呼ばれていたアイヌ語の地名に漢字をあてたものが多いため、今までに通ってきた「興部(おこっぺ)」や「雄武(おうむ)」、「猿払(さるふつ)」などのように、読みなれないものが多い。
平仮名の道の駅が多いのは、地名に親しみやすくするためではないだろうか。
道の駅にはレストランがあった。
ホタテのスープカレーをメニューに発見。
北海道のどこかで、スープカレーを食べたいと思っていたので、すかさず注文。
カレーの中に、ぶつ切りのホタテがゴロゴロと入っている。
フライも美味い。
道の駅 おだいとうの上階へ
スープカレーを食べ終え、道の駅の二階へ上がってみる。
ここには北方領土関係の展示があった。
ここで、羅臼国後展望塔などで得た北方領土の知識の復習をする。
重複している情報もあれば、ここで初めて知ったこともあった。
これまでに通ってきた、羅臼国後展望塔や羅臼町郷土資料館。
ここ道の駅おだいとう、そしてこれから行く納沙布岬。
羅臼から根室までの海沿いには、北方領土関係の展示館や看板が多い。
この辺りの海岸沿いを通っていると、否が応でも国後島が目に入る。
北方領土について意識せざるをえない。
道の駅の三階は展望台になっている。
海の向こうの国後島や、野付半島などを見渡すことができる。
北方領土との交流について書かれたパネルもある。
北方領土とは交流が断絶していると思っていたのだが、北方領土への訪問事業などが行われているようだ。
道の駅 スワン44ねむろへ
尾岱沼からさらに南へ。
走っている最中、左手に海が見えているが、海の向こうには黒く平坦な根室岬が横たわっている。
途中、雄大な風連湖が橋の上から見えた。
風連湖を回り、道の駅 スワン44ねむろに到着。
道の駅は風連湖に隣接しており、湖を見渡せるようになっている。
ここもサロマ湖のように、海とつながっている汽水湖のようだ。
看板によれば、風連湖にはタンチョウやオオワシなどが来ることもあるそう。
さて、これからどうしたものか。
根室市街まであと一歩というところまで来たが、もう少しで夕方だ。
納沙布岬の先端まで行こうかとも思うのだが、いまいち気力が湧かない。
今日は羅臼を出発してから、いくつかの観光地を回り、野付半島ではたくさん歩いてきた。
疲れているのだろう。
こんなときは風呂に入れば元気が戻る。
根室市街のみなと湯へ
道の駅で、近場の入浴施設を聞いた。
そのうちの一軒、根室市街地にあるみなと湯へ。
入り口で値段を聞いたとき、あまりにも安いので聞き間違いかと思ってしまった。
ここは大衆浴場という感じで、地域の人が多い。
人は多かったが、浴槽が広めでゆっくり浸かれた。
シャンプーやボディーソープはないので持ち込まなければいけない。
風呂から上がり、車に戻る。
これからどうしようか。
道の駅に戻り、周辺で夜を明かすか、それとも今日中に納沙布岬まで行ってしまうか。
ここみなと湯から、道の駅と納沙布岬はおおよそ等距離にある。
納沙布岬には北方領土資料館などがあり、訪れたいと思っていたのだが、今から行くと閉館時間を過ぎてしまう。
だが、今から道の駅に戻り、明日また納沙布岬まで行くのも、移動距離が長くなって面倒だ。
よし決めた、このまま納沙布岬まで行ってしまおう。
根室市街を抜け、納沙布岬に向けて車を走らせた。
納沙布岬へ
納沙布岬までの道は、これまでに通ってきた道とはまた違う趣だ。
風連湖の手前から海を通して見たように、岬周辺は、土地が平坦で起伏が少ない。
農地・牧地・低木林・原野が広がる中を走っていると、突然、窪地と沼が現れたりする。
そうして車を走らせ、ついに納沙布岬まで来た。
後ろを振り返ると展望塔があるのだが、ここは休業になっていた。
これまで通ってきた道の、見晴らしの良さからしても、タワーからはさぞかし良い眺望が得られたに違いない。
岬に沿って歩いてみよう。
海の方も眺めが良い。
ここから歯舞群島も見える。
北方領土問題の碑
岬周辺には、北方領土関係の碑が多い
ここを歩いていると、北方領土の返還を目指そうという、強い意気込みがひしひしと伝わってくる。
全国各地から送られた石が敷き詰められている。
とても大きなシンボルの四島のかけ橋。
ついに納沙布岬まで来た。
北方領土問題について
根室の納沙布岬に到着し、一通り見回った。
宗谷岬に引き続き、ここ納沙布岬でも、中国からの観光客に写真を撮ってほしいと声をかけられた。
ベストな構図を探しながら、何枚か写真を撮る。
中国の人たち、ひいては世界中の人たちは、北方領土問題についてどう思っているのだろう。
きっと北方領土問題自体を知らない人の方が多いのではないか。
日本人の私でさえ、昨日今日とで羅臼から国後島を見るまでは、北方領土問題に対して大きな関心を持ってはいなかった。
いや、正直に言おう。これまでほとんど無関心だった。
羅臼から根室までの間に様々な展示を見て、根室岬でたくさんの北方領土の碑を見て、北方領土問題に取り組む人たちの熱意が伝わってきた。
羅臼国後展望塔のページでも書いたが、北方領土問題のように大きくこじれてしまった問題は、そう簡単に解決できるものではない。
しっかりとこちらの正当性を主張しながら、問題についてたくさんの人に周知し、関心を持ってもらうことが大事だろう。
そういう意味で、ここ根室岬を観光地として、たくさんの日本人だけでなく外国人にも来てもらうのは、とても意義のあることではないだろうか。
今日の回想
車に戻り、今日一日を回想する。
今日もまた長旅だった。
朝の羅臼市街を散策し、
クジラの見える丘公園に寄った。
その後、羅臼国後展望塔と、
羅臼町郷土資料館へ。
北方領土問題や、羅臼の歴史について学んできた。
そしてずっと気になっていた野付半島で、ナラワラとトドワラを見た。
そしてここ、根室の納沙布岬まで来たのだった。
ついに(離島を除けば)日本最東端の、納沙布岬まで来た。
ここまで淡々と車を走らせてきただけなので、ついにという感慨も、実はそれほど大きくない。
小樽からスタートし、日本最北端の宗谷を通って、海沿いに納沙布岬まで来た。
走行距離は長かったはずなのだが、大変だったという気もしない。
また、納沙布岬に来たと書いたが、来たではなく、来てしまったという方が今の気持ちに近い。
納沙布岬まで来たということは、北海道一周の終わりが見えてきたということだからだ。
何だかんだで1/2以上の行程が終わった。
ここまであっという間だった。
北海道で訪れたかった場所が、一つずつ無くなっていく。
北海道に来る前から、どんなところか一番気になっていたのが野付半島だった。
変わった形の半島からどんな風景を見ることができるのか、とても楽しみにしていた。
最果て感のたまらない、素晴らしい場所だった。
素晴らしいと言えば、これまで北海道で見てきたもの全てが素晴らしかった。
普段の生活圏では見ることのできないような、広大な風景。
あとどれだけの素晴らしい風景を見ることができるだろう。
車中泊の方法
今日は納沙布岬の駐車場で仮眠させてもらうことにした。
私の他に数台の車がいる。
少し休憩したら、次の目的地に向かって車を走らせよう。
車のアシストグリップにフック付きロープをひっかけ、入浴施設で使ったタオルを乾かしている。
こうしておけば大体半日で乾燥する。
車の中で寝るときは、少しだけ窓を開けて寝ている。
窓を開けておかないと、空気がこもるし結露する。
北海道の6月は、場所によってはもう暑い。
風の強い場所が多いので、窓を開けておくと快適に眠れる。
特に虫が入ってきたことはなかった。
窓にカーテンなどはひいていない。
寝ている所を外から見られても、特に困ることは無い。
寝床はこんな感じだ。
キャンプ用マットを敷いて、その上に寝ている。
寝袋には包まって寝るのではなく、上からかけて掛け布団のようにしている。
包まると暑い。
臭い消しのため、北見ハッカ記念館で買った薄荷脳(ハッカの結晶)を、布に包んで吊るしている。
夕飯は根室のセブンで購入した。
残ったら明日の朝食にしよう。
スマホとカメラを充電器につなぐ。
スマホとガイドブックを見ながら、明日の予定を立てる。
スマホは猿払のあたりから通信制限がかかっており、ほとんど役に立っていなかった。
道の駅も、あまりwifiがつながらない。
設定の仕方が悪いのかもしれない。
そういえば納沙布岬は、離島を除けば日本で一番早く朝日を見られる場所ではなかったか。
明日は日の出を拝めると良いなあ。
早朝の納沙布岬
納沙布岬で早朝に目を覚ました。
少し外を散歩してみよう。
岬周辺は霧に包まれている。
納沙布岬は、離島を除けば、日本で一番早く朝日が見られるところだ。
楽しみにしていたのだが、これではとても朝日どころではない。
ハクセキレイを発見。
スズメかと思ったがヒバリのようだ。
納沙布岬から弟子屈へ
納沙布岬周辺の施設を巡りたかったが、開くまでにかなり時間がある。
今日の目的地は遠い。
朝の早いうちに移動距離を稼いでおきたく、早々に出発することにした。
まずはここに来るまでに通ってきた、道の駅 スワン44ねむろを目指す。
道の駅の手前に差し掛かった時、ついに野生のヒグマを見た。
子グマだったが、私の車の前の道路を、左から右へ駆け抜けていった。
北海道の道路では、エゾシカとキタキツネをよく見かけた。
ヒグマはこの一回だけだった。
道の駅のトイレに立ち寄る。
このサントスプレミアムは、北海道限定の缶コーヒーらしい。
朝の眠気覚ましに買っていく。
風連湖も真っ白だ。
今朝は根室半島全域が霧に包まれていた。
道北・道東の辺りは霧が出やすいのかもしれない。
道の駅を出て、国道44から国道243に折れる。
これまではずっと海沿いを来たが、今日は久しぶりに内陸に向かう。
進んでいると牛が放牧されていたり、牧歌的な風景が続く。
途中、道の脇に4羽のカラスが佇んでおり、車が差し掛かる瞬間に、4羽とも飛び出してきた。
ひくことはなかったが、びっくりするので勘弁してほしい。
弟子屈の道の駅 摩周温泉に到着
道の駅からとにかく走った。
走って走って走り続け、弟子屈の道の駅 摩周温泉に到着した。
ここまで遠かった。
今日はこの付近の、摩周湖・屈斜路湖・阿寒湖を見て回る予定だ。
ここの道の駅の施設を見てみたいが、開く時間には遠い。
湖を見て回った後で、またここに戻って来よう。
なんだろう橋へ
道の駅の近くに、水郷公園という公園があるようだ。
ちょっと寄って行ってみよう。
白樺の林を行く。
なんだろう橋が見えてきた。
なんだろう橋の下を流れる釧路川は、途中釧路湿原を通りながら、弟子屈から直線距離で約57km南にある、釧路市街を通って海へと流れ込んでいる。
ここが水郷公園だ。
水郷(すいごう・すいきょう)というのは造語か地名だと思っていたのだが、北海道から帰って国語辞典を見てみると、意味が載っていた。
大修館書店の明鏡国語辞典によれば、水郷とは、
水辺にある村や町。また、川・湖などの景色が美しい村や町。
という意味のようだ。
水郷公園で鳥探し
正面に見えるのは鳥観察舎だ。
公園には鳥がたくさんいるようだ。
鳴き声が聞こえてくる。
探しながら歩いてみよう。
池を回っていく。
さっそく一羽発見。
googleレンズで調べると、シジュウカラのよう。
大きなフキ。
この大きさはアキタブキだろうか。
北海道の一部の地域には、ラワンブキという2~3mにもなるフキがあるそうだ。
もう一羽発見。
これもシジュウカラのようだ。
顔が隠れてしまった。
鳴き声があちこちから聞こえてくるのだが、鳴き声の主を探すのは難しい。
木々に目を凝らしながら進む。
マガモを発見。
水辺の鳥は、発見も撮影も簡単で良い。
水郷公園の水車まで
藤の花だ。
藤の時期には遅いか。
googleレンズによれば、サワシバらしい。
朝露に濡れたクモの巣。
小魚が群れていた。
googleレンズに頼りっぱなしだが、コウリンタンポポという外来種らしい。
当麻町の小沢ダムでも見つけていた。
水車小屋に戻ってきた。
水中には大きなマスが。
道の駅に戻ってきた。