カヤックの運搬について
ここまで、カヤックを海に出すときの天候や、カヤックフィッシングのポイントの探し方について書いてきました。
このページでは、カヤックを車に乗せて、海まで運んできてからのことを書きます。
カヤックの車載については、車載の事前準備やラッシングベルトの使い方、カヤックの車載についてのページをご覧ください。
さて、カヤックを車載して海に着いたら、カヤックを岸まで運搬しなければいけません。
カヤックは20kg以上あるため、運搬は大変です。
カヤックフィッシングを行う場所を決める際は、駐車場所から岸までの間が近く、できるだけ段差のない場所を選択しておきましょう。
さて、まずは車からカヤックを降ろします。
カヤックの固定具などを外してカヤックを地面に降ろしますが、その際、下の画像のような道具があると便利です。
カヤックの車載についてのページで紹介しましたが、キャリアバーに差し込んで使います。
上げ降ろしの際、このクッションを巻いた棒にカヤックを立てかけ、車とカヤックの接触を防ぐことができます。
カヤックを地面に降ろしたら、海岸まで運搬しましょう。
大体のカヤックでは、上の画像の下側にあるような、持ち手が付いています。
車から岸まで近いのであれば、持ち手を持って運搬しても良いでしょう。
カヤックに限らず重い物を持ち上げるとき、腰を曲げて持ち上げないよう気を付けてください。
腰を真っ直ぐ伸ばしたまま持ち上げないと、腰を痛めてしまいます。
持ち手以外にも、ロッドホルダーやスカッパーホールなど、穴の部分に手を入れても持ちやすいでしょう。
持ち上げたら膝を曲げ、膝に乗せるようにして運ぶと楽です。
カヤックと身体を平行にして、横向きで歩いていきます。
問題は車から岸までが遠い場合です。
アスファルトなどの硬い地面が続くのであれば、カヤックカートを使うのも一つの手です。
私は、よくあるアルミフレームのタイプの物を使っています。
-->
カヤックカートは、カヤックの下に入れてベルトで固定して使います。
カヤックの先端を引っ張ると、タイヤが転がってカヤックを楽に運搬できます。
砂地用の、バルーンタイヤのものもあります。
-->
最近では、スカッパーホールに挿して使う物もあるようです。
私がよく行く場所では、岸までの距離は近いのですが、大きな段差があります。
そのためカヤックカートが役に立たず、体力勝負で運ぶことになります。
最初のころは休み休み、かなり苦労しながら運んでいました。
最近では、体力が付いた訳ではないと思うのですが、コツがつかめたのか、だいぶ楽に運ぶことができるようになりました。
コツの一つ目は、一つ一つの動作をゆっくりこなすことです。
カヤックを車から降ろし、カヤックを持ち上げ、一歩一歩歩いていく。
その動作一つ一つをこなす際、次の動作を予測しながらゆっくりと行っていきます。
もう一つのコツとして、長距離や段差を運ぶときは、持ち手を持つのではなく、肩や背中に担ぎ上げるのが断然楽です。
まず、持ち手を持って運ぶときのように、カヤックを横に立てます。
カヤックの横(カヤックの表面、乗員が乗る面側)に立ち、腰を落とし、カヤックの曲面に肩を入れます。
下の画像は断面図です。
上と下の持ち手を、それぞれ左手と右手で持ち、そのまま立ち上がります。
そうすると、肩の上に曲面の部分が乗り、肩に荷重が掛かります。
そのまま持ち運んでも良いですが、片方の肩に荷重が掛かり続けるため、肩が痛くなってきます。
カヤックを持ち上げたら、カヤックを背中側に回し、背中で担ぐようにします。
両方の持ち手は、両手で持ったまま運びます。
この運び方は楽に運べますが、カヤックの、面積が大きい面が前方を向いているので、風の抵抗を受けて歩きにくいことだけ注意が必要です。
段差を越えるときは、下りは足運びに気を付ければ問題ありませんが、上りが大変です。
一歩一歩丁寧に登りましょう。
ダメだと思ったら、一旦カヤックを降ろして落ち着きましょう。
手こずりそうな大きい段差を越えるときは、下の画像のように越えます。
まず片足を段の上に上げます。
次にもう片方の足も段に上げますが、上がった時に腰を落として膝を曲げ、屈んだ状態になっているようにして上がります。
このとき、段に上がる前後でカヤックの高さが変わらないようにするのがポイントです。
段に完全に上がったら、カヤックを持ち上げて立ち上がります。
一連の動作でも、腰を曲げないように注意してください。
これはつまり、カヤックを担いで普通に段差を登ろうとすると、移動する+カヤックを持ち上げるという2動作を同時に行うことになり、かなり筋力が必要になりますし、バランスを崩しやすくなります。
その2動作を分割して行うことで、移動の際に重心が下がるので安定し、普通に上がるよりも楽に上がれます。
カヤックを岸辺に運んだら、波が来ないギリギリの辺りに降ろしましょう。
カヤックへの荷物の積載
カヤックを岸辺まで運んだら、沖に出る準備をしていきます。
やるべきことは下記の3つです。
もちろん順番は違っても大丈夫です。
1.ドレンプラグなどの締め忘れがないか確認する
ドレンプラグは水抜き穴の栓ですが、締め忘れていないか確認しておきましょう。
また、各種ネジ類も緩みがないかチェックしておきましょう。
2.シートやパドルなどの準備
今度はカヤックを漕ぐのに必要な道具の準備です。
まずフラッグを立てます。
カヤックとフラッグのページで説明したように、私はフラッグポールの下にクッションを巻いておき、カヤックのスカッパーホールに挿せるようにしています。
荷物固定用のバンジーコードをポールに巻き付け、フラッグがフラフラしないようにしています。
次にシートを取り付けます。
シートはカヤックを購入した時に付いてきたもので、前後4箇所をカラビナで固定します。
沖に出る前に一度腰かけてみて、ベルトの長さを調節し、腰が立つようにしておきましょう。
シート下のスカッパーホールはプラグで塞いでおきましょう。
基本的にスカッパーホールは塞がないものですが、シート下のホールは塞いでおかないと、尻がびしょ濡れになります。
さらにセーフティーグッズを取り付けます。
これはモンベルのグッズですが、中にロープが入っており、カヤックから落ちた時にロープを取り出して足をかけ、カヤックに這いあがるために使います。
ビルジポンプです。排水のために使います。
シットオントップカヤックでは使う機会が少ないかもしれませんが、必須の道具です。
カヤック内部に水が入った時に使います。
次にパドルを用意しますが、カヤックで沖に出て、パドルを紛失したらどうにもならなくなってしまいます。
パドルはカヤック本体にリーシュコードでつないでおきます。
また、予備パドルも荷物スペースに置いておきます。
さらにカヤック本体と自分のライフジャケットも、リーシュコードでつないでいます。
カヤックから落ちた時、カヤックから離れないようにするためです。
3.釣り道具や魚探の準備
竿とリール、ルアーをセットします。
私が使っている釣り具は、カヤックフィッシングのタックルのページに書いています。
カヤックを漕いでポイントに着いたら、すぐに釣りを開始できるようにしておきます。
竿を海に落としても大丈夫なように、竿にはロッドベルトを取り付け、フロートを付けておきます。
釣り具などの道具は、カヤックには固定しないようにしておきます。
釣った魚をキープするためのストリンガーです。
釣り上げた魚はストリンガーにつないで血抜きし、しばらくしてから引き上げ、クーラーバッグに入れます。
ストリンガー・ネット・クーラーバッグなどの釣り上げた魚をキープするための道具は、荷物スペースの、自分から見て右側のところに固めて置いてあります。
ハサミやプライヤーなどのよく使う道具は、目の前に揃えて置いておきます。
魚探を準備します。
魚群探知機のバッテリーについてや魚群探知機の配置についてのページに書いた通りに、魚探やバッテリー、振動子を配置していきます。
振動子はポリグリップで船底に貼り付けます。
バッテリーと振動子を接続したら、動作確認をしておきましょう。
最後に、食料や上着、ばんそうこうなどの緊急グッズや、ねじ回し、ダクトテープなどを収納します。
これで準備は完了です。
さあ、いよいよ沖に出ましょう。
おすすめの本と映画(広告)
※年齢制限が付いている物や、万人におすすめできない物もあるのでご注意ください
カヤックフィッシングのトップに戻る