釣り竿の継ぎ数と長さについて
これから釣り竿の表記について解説していきます。
まずは下の画像をご覧ください。
私が愛用している、クロスビートという振り出し式ルアーロッドの箱ですが、「965TMFS」と書かれています。
表記の最初には3桁か4桁の数字が書かれていることが多いのですが、これは長さと継ぎ数を表しています。
上の画像の表記は「965TMFS」だったので、3桁の数字「965」が先頭の数字です。
この3桁の数字の最後の桁は、「何本継ぎか」を表しています。
今回は「5」なので、この竿は5本継ぎだということが分かります。
ルアーロッドには2本継ぎのものが多いので、数字の関連ページが2になっていることが多いです。
5の前の数字は、「ft(フィート)単位での長さ」を小数点第一位まで表しています。
残りの数字は「96」なので、この竿は9.6ftの長さだということが分かります。
馴染みのないft単位だと実際の長さが分かりにくいですが、ftの値に「30」をかければ、cmでのおおよその長さが出てきます。
例えば9.6ftの場合は「9.6 × 30 = 288」なので、長さは約「288cm ~ 2.9m」ぐらいだと分かります。
また、10.0ftであれば「10.0 × 30 = 300」になるので、「300cm = 3m」だということになります。
ftからcmへの換算は30をかけるということを覚えておきましょう。
長さを換算するツールも作成したので、よろしければご利用ください。
もう一つ、別の表記から長さを読んでみましょう。
先頭の数字は4桁になることもあります。数字が「1002」だったらいかがでしょうか。
上の画像の竿の表記は「S1002MH」です。
先頭に「S」が付いていますが、これはスピニングリールと合わせるスピニングモデルであることを表します。
その次の数字は関連ページが「2」で残りの数字が「100」なので、2本継ぎで10.0ftだということが分かります。
10ftということは、30をかけて約3mです。
さて、長さが分かったところで次に行きましょう。
上の画像では、数字の次にT(テレスコピック:振出仕様)という文字がきています。
ルアーロッドは振出式のものが少なく、2本継ぎの分割式の物が一般的です。
このTはあまり見かけないかもしれません。
さらにこのTは、必ずしも数字のすぐ後に来るとは限りません。
表記のどこかにTとあれば、振出式だと覚えておきましょう。
釣り竿の硬さについて
次は竿の硬さです。
上の画像の「965TMFS」で、「965T」までは前項で解説しました。
次のM(ミディアム)は硬さを表します。
硬さについては柔らかい方から、「UL(ウルトラライト)」「L(ライト)」「ML(ミディアムライト)」「M(ミディアム)」「MH(ミディアムヘビー)」「H(ヘビー)」などがあります。
硬さの中ではM(ミディアム)クラスが中間で、L(ライト)クラスに行くほど柔らかく、H(ヘビー)クラスの方は硬くなります。
上の画像の「S1002MH」はMHなので、Mより硬めの竿だということになります。
一番柔らかいUL(ウルトラライト)は、トラウトの管理釣り場やアジのルアー釣りなどで使われます。
かなり柔らかく、1gぐらいのスプーンを飛ばす時もよく曲がります。
残りの表記について
釣り竿の表記を読む上で大事なのは、これまでに説明した長さと硬さです。
残りの表記についても見ておきましょう。
「F」とありますが、これはファストテーパー(先調子)ということを表しています。
先調子というのは先端が曲がりやすいということで、ルアーに細かい動きを付けたりするのに向いています。
逆に、手元に近い部分(胴)が曲がりやすいものをスローテーパー(胴調子)といい、魚とのやり取りがしやすというメリットがあります。
Tと同じく、表記の中にテーパーについて書かれているものはあまり見かけません。
青物用のルアーロッドは先調子のものがほとんどです。
このテーパーに関しては、最初はあまり気にしなくてよいと思います。
釣りをしていて色々なことにこだわりが出てきたら、真剣に考え始めるぐらいで良いでしょう。
さて、クロスビートの表記の最後にはSという文字が付いていました。
これはスピニングリールと合わせて使う、スピニングモデルだということを表しています。
「S1002MH」も頭にSが付いていましたが、同じくスピニングモデルです。
現在販売されているルアーロッドはスピニングモデルが多数のため、このSも省略されることが多いです。
Sの代わりにCと書かれている竿を見かけますが、これはベイトロッドだということを表しています。
ベイトロッドには引き金のようなトリガーが付いていて、ベイトリールを付けたときに竿を持ちやすくなっています。
また、ベイトロッドにベイトリールを合わせたベイトタックルは、釣り竿を持ったとき、糸を通すガイドが上向きになります。
そのため、スピニングモデルの竿とは曲がる向きが逆になります。
スピニングロッドにはスピニングリール、ベイトロッドにはベイトリールという組み合わせで使うようにしましょう。
ここまでの説明で、大体のルアーロッドの表記は読めるようになっているはずです。
表記の読み方をもとに、青物釣りの竿についてのページで、青物釣りの竿の選び方を説明していきます。
このページの下の項目では、私が持っている釣り竿の表記を読んでみようと思います。
実際の表記を読んでみる
実際に、私が持っている釣り竿の表記を読んでみましょう。
前の項目でもお見せしたCRAZEE SHORE JIG GAME 1002MHです。
「S1002MH」なのでスピニングモデル、10.0ft=3mで2本継ぎ、クラスはMH(ミディアムヘビー)です。
陸からの青物用にぴったりの竿です。
これで何本も青物を釣りました。
一番愛用していた竿だったのですが、カヤックフィッシングで折ってしまいました。
詳細はこちらのページに書いています。
次はCRAZEE SHORE JIG GAME 1002Hです。
「1002H」なので、長さは10.0ft=3m、2本継ぎで硬さはH(ヘビー)です。
硬さがH(ヘビー)なので、一番硬いクラスです。
陸からルアーを投げて青物を狙う竿ですが、その中でもかなりガチガチな竿です。
折れてしまった1002MHの代わりに、Hクラスの竿はどのぐらいの硬さなのか試してみようと思い購入したのですが、ちょっと持て余し気味です。
DAIWAのシーバスロッド、LAZYの「106ML」です。
これは数字の最後が6ですが、6本継ぎというわけではありません。2本継ぎの2が省略されているので、10.6ft(3.18m)ということになります。
クラスML(ミディアムライト)なので柔らかめの竿です。
メタルジグに比べて軽いミノーをできるだけ遠くに飛ばしたいと思い、できるだけ長く、できるだけ柔らかい竿を追い求めた結果、この竿にたどり着きました。
他のメーカーやシリーズにはない長さと柔らかさの組み合わせで、マニアックなバランスの竿です。
カヤックでのジギング用に購入した、LT JIGGING SHAFTの「S632ML」です。
Sなのでスピニングモデルで、6.3ft=1.89m、硬さはMLクラスの竿です。
ボートや船で使うための竿なので、かなり短い竿です。長い竿がカヤックで使いにくかったので購入しました。
サバやアイナメを釣ったりしました。
この竿は160gまでのルアーを扱えるのですが、それは表記に載っておらず、箱を見なければ分かりません。
ただ、扱えるといっても160gのルアーを投げられる訳ではなく、落とし込みで扱えるということだと思います。
カヤックからのキャスティング用に購入した、OFFSHORE CAST GAMEの「70M」です。
表記が簡潔で、7ft=2.1mのMクラスです。
カヤックの上でも使える短さで、重いルアーを投げることができる竿を探していたのですが、需要がニッチ過ぎるためか中々見つかりませんでした。
色々と探し回ってようやく見つけたのがこの竿でした。
五頭フィッシングパーク用に購入した、トラウト用のFREADという竿です。
「60F」とあるので、長さは60ft=180cm、Fはおそらくファストテーパーのことでしょう。
この竿については前述しましたが、硬さがULなのでとても柔らかい竿です。
トラウトは青物に比べてパワーがなく、40cmぐらいのニジマスでも、ULの竿で十分に主導権を握れます。